大学浪人2年目(20歳)の秋から腰が痛くなった。1日中机に向かって座っていたので運動不足が原因かも、と思ってジョギングを始めたら増々痛みがひどくなった。痛みは腰だけでなく、ももの裏側も痛みとシビレが出るようになり、ついに寝返りしても痛くなり、痛みのため長く歩けなくなった。痛くて腰が伸ばせなくなった。
病院で診察を受けたら、「椎間板ヘルニア」と診断されて「手術しかない」と医者に言われた。腰の痛みと足のシビレを我慢しながら大学受験を済ませてから入院し、ヘルニアの手術を受けた。40日間入院。退院後もコルセットを装着して通院しマッサージをしばらく受けた。ももの裏側の痛みとシビレは取れたが腰痛は治らなかった。医者からは椎間板ヘルニアが再発しても手術はできないと言われた。腰痛が完治しないまま再発の不安を抱えながら上京し、遅れて大学入学。通学の時、電車で立つのが苦痛だった。本屋で本を探す時もすぐに腰が痛くなり座りたくなった。
夏になると腰痛は軽くなった。水産学科カリキュラムの「臨海実習」でカーター訓練があった。海への情熱が掻き立てられて無理を承知で腰に無理のかかる運動の過酷なカッター部に入った。春の合宿に耐え、新人戦出場。夏、秋の合宿を経て全日本大学選手権大会にも出た。
しかし、冬になると痛くなり、周囲からは腰痛の悩みを理解されないまま、退部した。
大学を卒業し専攻科に進学して半年の乗船実習も無事に終了し、航海士の国家試験も合格して水産庁海事職に採用された。しかし、就職してから腰痛は軽くはなっていたが、無理をしたり、中腰の作業をすると痛んだ。ヘルニアの再発という不安を抱えたまま乗船勤務をしていた。
いつの間にか首が痛くなり、頭痛もひどくなった。
病院を受診し処方された薬を飲んでも良くならなかった。
学生時代に出会った血液循環療法を学び、病に苦しむ方のために世に広めよう思い脱サラして仙台に引っ越し、村上先生に入門した。先生の教えに従って自分の腰痛の原因を指で探ってみた。押すと痛むコリが腰にあるのに気づいた。ひょっとしてこれが原因の硬結かもしれない。これが腰痛の原因かもしれない、と思った。 「硬結が解った!」
押すと圧痛がある。ここを血液循環が良くなる手技「ジワー・パッ」をやってみたら腰痛が軽くなるではないか。そこで毎日「ジワー・パッ」をやったらだんだん軽くなった。そしてついに腰痛が出なくなった。硬結とはシコリの事だった。やったー!これだ!これだ!これで良くなりそう!
腰痛の原因がシコリだ、とわかってからは気が楽になった。もう椎間板ヘルニアの再発の心配はないのだ。
椎間板ヘルアの再発不安からも解消された。痛みが出ても自分で治せるから気が楽だった。それから腰に負担のかかる運動もやってみたが大丈夫だった。今までできなかったジョギング、バイク、水泳、ズーッとやりたかった剣道、登山もできるようなった。登山が出来るようになってから休みの日は日帰りで行ける山は片っ端から登った。そして海外の4千メートル級の山にも登ることが出来た。
開業してから腰痛の患者さんを診るとやはりシコリがあり、ここを施術すると治るではないか。なんと、病院で椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症と診断された患者さんまでも治るではないか!これは一体どういうことだ。
症例を重ね、経験を積むうちに、腰痛だけではなく、坐骨神経痛、ひざ痛、くび痛など多くはシコリが痛みの原因だということが解った。病院のMRI検査では、骨しか映らずシコリは映らないので骨の異常が原因だと診断される。しかし、痛みの原因は骨ではなく、筋肉のコリだったのだ。(「現代医学の盲点」)
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